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赤外線カメラ用レンズ

レンズ材料

赤外線カメラのレンズはコストや性能に大きく影響を与えます。 レンズの材料には、赤外線波長域を透過するものを使用する必要があります。

ゲルマニウム(Ge)は、赤外線波長の透過率が優れていますが、高価で加工が難しいです。
安価な素材でとして、塩化ナトリウム を使用されているものもありますが、吸湿性や溶解度が高くて溶ける、など取扱いに充分な注意を払う必要があります。

ナイトビジョンカメラには、量産性に優れていて価格の安い、ジンクサルファイト(ZnS)カルコゲナイド が適しています。

材料 価格 加工方法 耐環境性能 透過率 毒性
ゲルマニウム(Ge) 高い 切削・研磨 高い 高い なし
ジンクサルファイト(ZnS) 安い 高温プレス
研磨
普通 普通 (ガラス化後)
なし
カルコゲナイド 安い 高温プレス
研磨
普通 普通 (ガラス化後)
なし
ジンクセレン(ZnSe) 普通 切削 普通 普通 あり
シリコン(Si) 安い 切削
エッチング
高い 低い なし
ダイヤモンド 超高価 研磨 高い 高い なし

レンズコートと透過率

レンズ素材「ゲルマニウム(Ge)」での、レンズのコーティングに対する透過率グラフを下記に表しました。
ゲルマニウム(Ge)でコーティングなしの場合、透過率は50%しかできません。
AR(アンチリフレクション)コートを施すと、透過率は100%近くになります。

図「ゲルマニウム(Ge)窓 透過率グラフ」

AR(アンチリフレクション)コート:AR=anti-reflective coating 反射防止膜。眼鏡とかで反射しないように防止する膜のこと
DLC(ダイヤモンドライクコーティング)コート:DLC=Diamond-Like Carbon ダイヤモンドに近い炭素膜。反射防止コートであるが硬いので屋外使用に優れてる。透過率少し悪い

材料による透過率の差

材料による透過率の差をグラフに表したものです。レンズコーティングの有無で透過率にかなりの差がでます。
透過してない部分にも反射か放射で光がでてしまうので、注意する必要があります。

ゲルマニウム(Ge)

コーティングなしの場合、透過率は50%しかできません。
AR(アンチリフレクション)コートを施すと、透過率は100%近くになります。

図「ゲルマニウム(Ge)窓 透過率グラフ」

AR(アンチリフレクション)コート:AR=anti-reflective coating 反射防止膜。眼鏡とかで反射しないように防止する膜のこと
DLC(ダイヤモンドライクコーティング)コート:DLC=Diamond-Like Carbon ダイヤモンドに近い炭素膜。反射防止コートであるが硬いので屋外使用に優れてる。透過率少し悪い

カルコゲナイド

コーティングなしの場合、透過率は65%前後となります。
AR(アンチリフレクション)コートの場合、透過率は95%近くになります。

図「カルコゲナイド 透過率グラフ」

ジンクサルファイト(ZnS)

AR(アンチリフレクション)コートの場合、透過率は90%近くになります。
DLC(ダイヤモンドライクコーティング)コートの場合、透過率は95%前後となります。

図「ジンクサルファイト(ZnS) 透過率グラフ」

シリコン(Si)

コーティングなしの場合、透過率は55%前後となります。
AR(アンチリフレクション)コートの場合、透過率は95%近くになります。

図「シリコン(Si) 透過率グラフ」

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