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非冷却型遠赤外線カメラ

補正方法(1):オフセット補正方法

補正処理として一番簡単な方法としてオフセット処理があります。

例えば15℃の温度均一面をカメラに撮影します。1画面の平均輝度から各画素の輝度を引いた値を補正テーブルとします。
その値を各画素に加算することにより、15℃の温度均一面は、非常にフラットな画像になります。
注意点:これは15℃のときのみの補正しかできていない。

写真「赤外線カメラの構造概要図」

写真「15℃の黒体面を撮像した画像(12bit)」

15℃の黒体面を撮像した画像(12bit)
標準偏差 = 422

写真「オフセット処理した画像(12bit)」

オフセット処理した画像(12bit)
標準偏差 = 5.2

各画素の補正データ:C(x,y) = 画像全体の平均輝度 - 15℃の各画素輝度(x,y)

オフセット補正の問題点

このオフセット補正は、被写体の温度が50℃になっただけで、画像は大きく乱れNETD(どれだけの温度差が見えるかの指標)が10倍悪化します。
オフセットだけの補正では、各画素のばらつきを抑えることができないので、補正行った温度から大きく離れると画面のばらつきが大きくなります。

写真「15℃の被写体でオフセット補正実施画像(8bit)」

15℃の被写体でオフセット補正実施画像(8bit)

SiTF:
68.7dig/℃
標準偏差:
5.5(1画像全体)
NETD:
80mK

写真「50℃の被写体を撮影した画像(8bit)」

50℃の被写体を撮影した画像(8bit)

SiTF:
68.7dig/℃
標準偏差:
60.0(1画像全体)
NETD:
873mK

オフセット補正だけでは、被写体の温度変化に対応できない

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