遠赤外線マイクロスコープ(顕微鏡)FIR Microscope

遠赤外線マイクロスコープ
(顕微鏡)

1. 特徴

遠赤外線カメラVIMシリーズと拡大レンズを組合わせた、高倍率の遠赤外線カメラです。

選択した拡大レンズでキャリブレーションを実施することにより、顕微鏡サーモグラフィとして微小領域の温度測定に適しています。

加冷却熱源との組合せで、半導体部品の非破壊検査などに最適です。

最高倍率5倍・実効光学分解能9.8μm/ピクセルの熱画像が取得できます。

顕微鏡レンズのラインナップも充実しておりますので、ご要望の対物距離(WD:ワークディスタンス)や倍率に合わせて、レンズとカメラの組合せを提案いたします。

2. システム基本構成

図「システム基本構成」
基本構成図

画像「カメラ外観(レンズ WEO-3RO 装着時)」
カメラ&レンズ

3. 熱負荷システムとのバンドルモデル

加熱/冷却ステージ 急速加熱ステージ
図「加熱/冷却ステージ」 図「急速加熱ステージ」
ステージサイズ:80 x 60mm ステージサイズ:5 x 5mm
温調設定範囲:-40 ~ +80℃
(環境温度による)
温調設定範囲:室温 ~ +600℃
最大温度勾配:約0.3℃ / 秒
(昇温時)
到達時間:+400℃ まで30秒
(他の特性のヒーターもあります)
→ 静的温度状態での検証に最適 → 動的温度状態での検証に最適

4. レンズ仕様

WOEシリーズ MBSシリーズ
LMWAVX1-100
旧型番:WOE-1R0
倍率:1×
WD:26mm
実効分解能:17μm/pixel

写真「レンズ LMWAVX1-100」

 
LMWAVX3-100
旧型番:WOE-3R0
倍率:3×
WD:11mm
実効分解能:9.8μm/pixel

写真「レンズ LMWAVX3-100」

KMMBSX3-120
旧型番:MBS-3L08
倍率:3×
WD:60mm
実効分解能:9.8μm/pixel

写真「レンズ KMMBSX3-120」

LMWAVX5-100
旧型番:WOE-5R0
倍率:5×
WD:11mm
実効分解能:9.8μm/pixel

写真「レンズ LMWAVX5-100」

 
レンズ用途について

WOEシリーズに比べ、MBSシリーズの方がワークディスタンス(WD)が広い為、幅がある対象物を撮影するのに適しています。

しかしWOEシリーズの方が、ワークディスタンス(WD)が狭い分、放射光を多く 捉えることにより、明るく映ります。

WOEシリーズ MBSシリーズ
LMWAVX3-100
旧型番:WOE-3R0
倍率:3×
WD:11mm
実効分解能:9.8μm/pixel

写真「レンズ LMWAVX3-100 でのワークディスタンス」

KMMBSX3-120
旧型番:MBS-3L08
倍率:3×
WD:60mm
実効分解能:9.8μm/pixel

写真「レンズ KMMBSX3-120 でのワークディスタンス」

顕微鏡レンズを使用する場合、
波長分解能MTF の両方を考慮する必要があります。

波長分解能の定義

波長より小さい物は見えません。​

遠赤外線センサーの感度波長は8~14μmなので​計算で求められる分解能と実際に見える分解能は違ってきます。

LMWAVX3-100 (倍率:3×) を装着した場合

グラフ「3倍レンズを使用した遠赤外センサーの感度波長域」

LMWAVX5-100 (倍率:5×) を装着した場合

グラフ「5倍レンズを使用した遠赤外センサーの感度波長域」

例えば…

ピクセルピッチ17μmのセンサーに
3倍レンズと5倍レンズを組合せると 波長分解能は 3倍レンズ17 ÷ 3 = 約5.67 μm 5倍レンズ17 ÷ 5 = 約3.4 μm に変化します。

しかし、
遠赤外線センサーが捉える波長域は8~14μmなので、
捉えられる領域が変化する訳ではありません。

5. 解像度チャートによる実験

実験する為の解像度チャートの見方

解像度チャートの数字は1ミリメートルの間にある、白バーと黒バーのペアの数です。

チャート26の場合、白が26本、黒が26本となっており、1つのバーの幅は、計算上、0.019ミリメートル(=19μm)となります。

画像「解像度チャート チャート26 撮影時」

画像「解像度チャート 実物」

解像度チャート撮影比較

WOEとMBSの3倍レンズを実装し、解像度チャートを撮影した画像です。
実効分解能は、9.8マイクロメートルですが、 赤外線センサーの感度波長域が、8~14マイクロメートルのため、 チャート数が大きくなるにつれ、不鮮明な範囲が増え、 ぼやけた映りになっていきます。

LMWAVX3-100
旧型番:WOE-3R0
倍率:3×
WD:11mm
実効分解能:9.8μm/pixel

写真「レンズ LMWAVX3-100」

写真「レンズ LMWAVX3-100 で撮影した解像度チャート」

KMMBSX3-120
旧型番:MBS-3L08
倍率:3×
WD:60mm
実効分解能:9.8μm/pixel

写真「レンズ KMMBSX3-120」

写真「レンズ KMMBSX3-120 で撮影した解像度チャート」

チャート57

1/57x2 = 1/114
= 0.0087mm = 8.7μm

グラフ「チャート57」

チャート51

1/51x2 = 1/102
= 0.0098mm = 9.8μm

グラフ「チャート51」

チャート40

1/40x2 = 1/80
= 0.0125mm = 12.5μm

グラフ「チャート40」

6. MTFによる比較

MTF(モジュレーション トランスファー ファンクション)とは…

レンズの性能を評価する指標のひとつです。
MTFの値が高いほど、高分解能のレンズとなります。

グラフ「MTF曲線」

MTF値の計算方法 MTF=(MAX-MIN)/(MAX+MIN)

MTF比較

目視では、 「撮像できているように見えている」画像も、 解像度チャートの数字が大きくなるにつれ、MTFの値が小さくなり、 「鮮明に撮像出来ていない」ことが分かります。 また、レンズ同士のMTF値の差も分かります。

LMWAVX3-100
旧型番:WOE-3R0
KMMBSX3-120
旧型番:MBS-3L08

写真「レンズ LMWAVX3-100 で撮影した解像度チャート」

写真「レンズ KMMBSX3-120 で撮影した解像度チャート」

画像「レンズ LMWAVX3-100 で、解像度チャート チャート32 撮影時」

写真「レンズ LMWAVX3-100 で、解像度チャート チャート32 撮影時のMTFグラフ」

画像「レンズ KMMBSX3-120 で、解像度チャート チャート32 撮影時」

写真「レンズ KMMBSX3-120 で、解像度チャート チャート32 撮影時のMTFグラフ」

画像「レンズ LMWAVX3-100 で、解像度チャート チャート51 撮影時」

写真「レンズ LMWAVX3-100 で、解像度チャート チャート51 撮影時のMTFグラフ」

画像「レンズ KMMBSX3-120 で、解像度チャート チャート51 撮影時」

写真「レンズ KMMBSX3-120 で、解像度チャート チャート51 撮影時のMTFグラフ」

画像「レンズ LMWAVX3-100 で、解像度チャート チャート51 撮影時」

写真「レンズ LMWAVX3-100 で、解像度チャート チャート51 撮影時のMTFグラフ」

画像「レンズ KMMBSX3-120 で、解像度チャート チャート57 撮影時」

写真「レンズ KMMBSX3-120 で、解像度チャート チャート57 撮影時のMTFグラフ」

7. 半導体部品の撮影動画

各種3倍レンズで実際に半導体部品を撮影してした映像です。

LMWAVX3-100
旧型番:WOE-3R0
KMMBSX3-120
旧型番:MBS-3L08

画像「レンズ LMWAVX3-100 で半導体を撮影している環境」 (レンズ LMWAVX3-100 での撮影環境)

画像「レンズ KMMBSX3-120 で半導体を撮影している環境」 (レンズ KMMBSX3-120 での撮影環境)

画像「レンズ LMWAVX3-100 で撮影した半導体(カラー)」 (カラー)

画像「レンズ LMWAVX3-100 で撮影した半導体(モノクロ)」 (モノクロ)

画像「レンズ KMMBSX3-120 で撮影した半導体(カラー)」 (カラー)

画像「撮影に使用した半導体」 (撮影に使用した半導体 拡大)

画像「撮影に使用した半導体」 (撮影に使用した半導体 全体)

8. オプション

カメラの微調機構がついたスタンドや微小領域の温度基準をとるための簡易黒体熱源装置もご用意しております。

画像「上下左右微動付きスタンド」

(上下左右微動付きスタンド)

画像「簡易黒体熱源装置」

(簡易黒体熱源装置)

9. 遠赤外線マイクロスコープ(顕微鏡)紹介動画 YouTube

本製品「遠赤外線マイクロスコープ(顕微鏡)」について、動画で紹介しています。

その他、ご不明点がございましたら、弊社までお問い合わせください

上記の動画は、YouTube のページでもご覧いただけます。

YouTube【遠赤外線マイクロスコープ(顕微鏡)】製品紹介

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